2016年2月5日金曜日
白蛇伝説
VHS(中古)
1988年作品
監督ケン・ラッセル
原作ブラム・ストーカー「白蛇の巣」
ヒュー・グラント、ピーター・キャパルディ、サミ・デイヴィス、アマンダ・ドノホー
あらすじ:イギリスのある地方に伝わる大蛇の伝説。
ある日考古学者が、その土地で大きな爬虫類の頭蓋骨を掘り当てたところから、物語は始まる。
そして、ちょうど同じタイミングで、その村に一人の女主人が戻ってくる。
と、同時になぜかあちこちでヘビがらみの事件が起きて・・・。
北米版DVD
ファンタスティック三部作のラスト、です。
ヒュー・グラントといえば、「モーリス」で話題になり、そのイメージの延長線のまま「幻の城 バイロンとシェリー」(これも好きだった!)
があって、そしてこの「白蛇伝説」
見ている最中は、「うんうん、ヒュー様ヒュー様」と当時思っていましたが、途中からどんどん「あれ?」と。
やっぱり、ケン・ラッセルが普通にヒュー様を使うわけないんですよね。
だけど、「お坊ちゃま領主」という、むしろヒュー様にぴったりなおとぼけキャラを印象づけた貴重な役だったんだと、後から気づきますね。
という事で、この作品も大好きで、何度も繰り返し見たものですが、ベースには原作があり、ということで、お話し的にも比較的起承転結が存在しているのも、見やすいと思います。
それと、そのドラマと監督お得意のPVちっくな幻想シーンの割合も、程よいような。
「へび」というのは、割と少女マンガの中のホラーの題材としても定番ですよね。
といっても、最近はどうかはわかりませんので、ひとまず「昭和の」と区切っておきますw
何の予備知識もなしに、そんな漫画を見てしまって夜トイレに行くのが怖くなって、すごく後悔した・・・なんて、その時代の子供なら、誰にでもあったプチ・トラウマじゃないでしょうか。
なので、世界レベルでも「ヘビ」というのは、そういう恐怖の対象なんだなー、という事がわかるのも面白いです。
とはいえ、小さい頃に見た漫画より、全然怖くないのが、この映画の良いところでもありますw
というか、やっぱりこれをホラーのくくりに入れるのは、抵抗がありますね。
良くも悪くも、「ケン・ラッセル」というジャンルなんだと思います。
話しがどこまで、原作に忠実なのかはわかりませんが、すごくわかりやすいお話しです。
「マーラー」の改宗シーンのような、「RPG風」に思えるのは、「退治伝説」なんてみんなそんなものだからでしょうか。
それとも監督は、勇者(RPG)好きなのか。
でも、本作が面白いのは、勇者はヒュー様・・・のはずなのですが、ほとんどパーティー・メンバーしか働いていない、というところですw
ヒュー様は、おぼっちゃまで、この土地にある大蛇伝説で退治をした末裔と言われている。
ブキミな屋敷には、暖かくなると女主人がどこからか戻ってくるのですが、これが、大蛇伝説をいまだに守り続ける大ボス(大蛇)の子分みたいなもの。
ドラクエでいうなら、ボス前の子ボスというところ。
大ボスにたどり着いて、倒す前には必ず子ボスを倒す必要がありますね。
そして子ボスであるヘビ女は意外と働き者。
大ボスの為に、生贄をセッティングしたり、窃盗したり、献身的です。
ヒュー様の仲間となるのは、近くの宿に来ていた考古学者とその宿の姉妹。
そこは、伝説をさかのぼると、過去にやはりヘビとの対決があった修道院だったようです。
姉妹は、その歴史から、ヘビ女に目をつけられ、生贄にさらわれますが、それを助けるのは、勇者ヒュー様、のはずだったんですが、実質的には、旅は道づれ、という事で考古学者君でした。
ヒュー様は、そもそもヘビ女にごあいさつしたついでに、寝てしまって、そこで監督お得意の夢を見るのですが、その夢(ヘビ女なのに、キャット・ファイト始める)で「こりゃ、退治せにゃあかんか」とやる気を出すという、マイペースっぷり。
やる気を出したところで、捜索隊を結成して、しっかり厚着して、だけど、三時はティータイムだよ、みたいな。
そんな頃に、バグパイプの音色でヘビをおびきよせようと、考古学者は足元が無防備なキルト姿ですよ!
キルトなんて、キャンディ・キャンディの丘の上の王子様が履くものだと思ってたのに!
そう、ヘビが音楽についつい身体を動かしてしまう、というのも、世界共通なんですね・・・。
ただし、ヘビ女は、学習したので、2度目は耳栓して、対処してましたがw
本当に、時代もちょうどいいんですよね。
CGは、まだない・・・感じですよね。
でも、それだけが理由ではないような味のある映像。
荒い合成。
ちゃっちい、はりぼてのヘビ。
切られたヘビ女がばらばらになって動く様。
どれも、キッチュでチープで、だけど味があって、魅力的。
こんな映像、どう計算しても撮れないような。
やっぱり監督のセンスなんだと思います。
もし、スタッフにいたら「あの、これで本当にいいんでしょうか」と言いたくなってしまうかもしれないですもん。
凡人にはやっぱり理解できないけど、この完成を見ると、これしかない、と思えます。
作りもののクオリティについては、「サロメ」ではすごく豪華でしたので、あえて・・・なのか、それとも、立て続けの撮影で、予算がなかったのか。
真相はわかりませんが、これでいいのだ。
そうそう、ヘビ女を演じたアマンダ・ドノホーさん、クールビューティーで好きな顔なのですが、ちょっとアマンダ・セイフライドと同じくくりのお顔のような。
今でも、出演作があるようなので、うれしい限りです。
それと、ヒュー様と考古学者のピーター・キャパルディさんも、ちょっとタイプが似ている気がしました。
特に、本作だと遠見の髪型も似ていて、わざとこういうキャスティングをしたのかな、と気になります。
髪型なんかは、キャラを区別させようと思えばできるはずなのに、長さは違いますが、わりとごっちゃになる髪型だと思うので、なんでかなー、と。
これは完全妄想ですが、過去のヒュー様のご先祖様も、実は自分で退治なんてしてないんじゃないか、と思いましたw
ちょっと似た感じの人にやらせてたんだよ、みたいなw
それくらい、言い伝えとか適当でもあり、だけど真実もある、みたいな。
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