レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード コレクターズ・エディション/アントニオ・バンデラス[DVD]
2003年作品
監督ロバート・ロドリゲス
アントニオ・バンデラス、ジョニー・デップ、サルマ・ハエック、ミッキー・ローク、ウィレム・デフォー、エヴァ・メンデス
その対象は恋人を殺した敵だったので、なんとなく引き受ける。
かつての仲間を集め、仕事をこなすと同時に、彼らがメキシコを救う・・・。
「スパイキッズ」
のたくわえで、ゴージャスな「デスペラード」が作れた、という感じでしょうかね。
「スパイキッズ」も大好きなシリーズですけど。
シリーズ物としては、珍しく続編でも面白い、というか私は1作目よりも好きです。
まず、登場人物が豪華。
個人的にはオールスターな勢い。
バンデラス、サルマの続行組は、サルマは過去の人として回想シーンでしか登場しないので、ちょっと宣伝過多な気もしますが。でも、思い出の中のヒロインとしても、存在感が強く、1人残されたバンデラスの哀愁を色濃くします。
なので、れっきとした現役ヒロインがいないのも、ちょっと面白いというか、私は好感持てるんですよね。
ハリウッドのお約束にのっとっていなくないですか?
今回のW主役とも言える、ジョニー・デップは、これはいいジョニー・デップです。
多分、本人もノリノリで役作りしたんだろうなーと、想像するのが容易です。
最初は、いかにも裏社会的ないでたちなのですが、回を追うごとに様子がおかしくなっていきますw
それは、このジョニデの演ずる、CIA捜査官が、ただの捜査官ではなく、怪しい奴だという事を表しているんですよね。
世直し的な発想は過激ですし、その為に、人を操るのが上手く? その裏では横領の計画もしていた、こっちもまた悪、なのでした。(でもなぜか憎めない)
エヴァ・メンデスも出てるとうれしい女優さんです。
強面ミッキー・ロークは、なんとチワワとセットで登場。
犬好きなのは有名ですが、これも本人のアイデアなのかな? ジョニデといいとにかくキャラが、皆漫画みたいに立ってます。
とはいえ、役柄的には、ほとんどキャラとしてのアクセントって感じではあります。
そして、大好きデフォーが、ギャングのボス。
もう、ピアノを弾いての登場から、ウケましたよ~。
パッと見は、ノーマルなスタイルですが、正直、おひげを生やしたデフォーがそこにいるだけで、すでにキャラ強い!
それもそのはず、このボスは、自分に似た男を身代わりにして、自分は整形して生きようと考えるような、ちょっといっちゃってるお人です。
それでも、キャラの渋滞とはならないのは、全般的に漫画的なノリが強いから。
これはロドリゲス節といっていいんじゃないでしょうかね。
また、そのアクションやギャング的ストーリーと裏腹な綺麗なメキシコの風景が本当に身応えあります。
決してミスマッチなのではなく、マンガ的な演出を際立てていると思います。
特に印象的なのは、
冒頭、バンデラスを探し出す為に、ギター職人達がいる場所に荒くれどもが乗り込みます。
腕のいい職人をあっさりと殺されて、バンデラスは降参して登場するのですが、その登場シーンがもう漫画そのものの格好よさ!
青い空に、メキシコの美しい建物。
そこに口笛が吹いて、見上げると青空の屋上にバンデラスが手を挙げて登場。
過去のシーンの中で、バンデラスとサルマがなぜか鎖でつながれた新婚旅行? みたいなシーンも、漫画っぽいなーと思います。
そのまま、教会で結婚式をしているように見えて、鎖をカットするシーンもぎょうぎょうしくて、笑っちゃうんですけど、マンガちっくで、ファンタジーだなーと思います。
バンデラス関連は特に、過剰な演出が多くて、楽しめますね。
ギターで反撃しないといけないとなると、ギターにキスして謝ってから(ギターで)殴る、とか。
教会での銃撃戦では、老婆は平然と祈っていて、祈り終わって帰る時は、一時休戦。
殺し屋たちまで、老婆が静かに歩いて帰るのを見守る。
こういう小技? がたまんないんですよね~。
もちろん、アクションも無駄に回転したり、派手でスタイリッシュです。
ロドリゲス的様式美、があちこちにちりばめられていました。
正直、この手のマンガ的娯楽映画ってストーリーそのものは、シンプルでもいいと思ってます。
その分、過剰な演出で楽しめるので、多くは求めません。
でも、本作は、ストーリー自体もなかなか凝っていると思いました。
まず、序盤、ジョニデは役作りとしておかしな腕を持ってる、と思っていました。
この腕というのは、偽の腕で、あたかもテーブルの上に腕が出ているように見せかけて、本当の腕はテーブルの下で、常に銃をつきつけている、というもの。
ところが、この腕が最後に大活躍します。
エヴァ・メンデスは、ジョニデと影でつながっていて、横領目的の仲間だったのですが、実は、エヴァはジョニデを裏切っていた。
というか、そもそもデフォーの娘で、最初からジョニデを騙して近づいていたのでした。
おかげで、両目を失うジョニデなのですが、最後に嘘の腕を活用して、エヴァに復讐します。
それを見た時は、あら、ちゃんとしてる! とすごく感心しちゃいましたw(上から目線><)
また、この両目を失うジョニデも、血の涙を流しているようなメイクで、アメコミの敵にいそうな感じなんですよね。
なので、怖いとか悲惨という感覚よりは、「漫画を見ているような」感覚になれるのも、この映画が娯楽だと思える、利点だと思いました。
目を失った時に、ガムの押し売り少年とのやりとりがあるのですが、この少年も冒頭に登場していて、ちゃんと関係性があるというのも、良かったです。
後、建物に頭ぶつけてるのも、普通なら笑えるはずもないのですが、このジョニデのキャラとこの映画の雰囲気から、笑ってしまえるんですよね。不謹慎ですが、あくまでファンタジーとして。
何も考えずにただ、マンガ的な格好良い演出、アクション、キャラクターを楽しめる。
以前見た時以上に、この映画好きになりました。
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