2016年3月10日木曜日

おとなのけんか


おとなのけんか/ジョディ・フォスター[Blu-ray]
2011年作品
監督ロマン・ポランスキー
ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ、ジョン・C・ライリー
原作有り

あらすじ:ニューヨークの富裕層、二組の家族が子供のケンカの謝罪で顔を合わせる事に。

最初は、穏便に済まそうとしていたが、会話が進む毎に話はややこしくなっていき・・・。




TVで見ました。

何故か、ロマン・ポランスキーとロバート・アルトマンを勘違いしていました><

内容はタイトルどおり、大人同士、二組の夫婦、男女4人があるマンションの一室で延々とげとげしい会話をしているだけ、です。

原因は子供同士のケンカ。
怪我をさせてしまった親が、謝罪に訪問してくるのですが、子供のケンカについてはもちろん、ふとした会話からどんどん話しが飛んで行き、決して楽しく盛り上がるのではなく、「ああ?」って感じで、エンドレス。

ただ、二組の夫婦の対立だけではなく、話の流れから、男VS女になったり、各夫婦間でもめだしたり。

ケンカ自体がどうこう、というよりは、この二組の夫婦そのものが皮肉っぽかったです。

例えば、下町系なら、ここまでだらだら長引かないだろうな、と思いました。

下手に大人だから、「仲直りをしないと」と上辺を気にした行動を選びがち。

だけど、最後まで我慢がきかないから、仲直りで呼びとめておいたのに結局またケンカ、みたいな。

大人というけど、最後まで大人を貫くこともできていない。

ジョディ・フォスター組は、家主で裕福な生活っぷりがその空間から伺える。

ケイト・ウィンスレット組も、同じ学校に通わせているくらいだから、大差ない生活をしているんだろうという事は想像できるし、会話からも察する事はできます。

だけど、ホームとアウェイの立場の差というのは少し感じられて、それはそのまま被害者と加害者という関係性とも重なっています。

被害者のフォスター組のほうが、ホームでもあるから少し有利な感じ。

特に、ケイトの夫(弁護士)は他人の家だというのに、携帯がなりっぱなしで、延々仕事の話をしている。

ケイトはただでさえ、居心地が悪いのに唯一の味方である夫が、さらにややこしくしているので、ストレスから具合が悪くなる始末。

それまで若干自慢していたフランシス・ベーコンなどの画集がディスプレイしてあるテーブルに吐いてしまう。

そして家主が心配するのはケイトの具合ではなく、貴重な画集の事。

一切、「大丈夫?」と尋ねる事なく、汚れてしまった画集をどうするかで夫婦はバタバタする。

具合悪い中にも「弁償する」と言うが、「絶版だから!」と言い捨てる。

ここは、ちょっと面白かったです。

もともと良くは思っていなかったということが露見しますし、「ふじたー!」とフォスターが発音してるのも面白かったw しかも、超ショック受けてw

ベーコンや藤田でわかる通り、ちょっとアートな趣味がある夫婦で、多分その部分はケイト夫妻にはないんでしょうね。

何一つ、「盛り上がる」要素のない二組の夫婦。

でも、「ああ、ベーコンね」「その(お高い)チューリップ売ってる花屋知ってるわ」と、ケイトも負けないように必死。

早く帰ればいいものを・・・、とずーーーと思いながら見ていました。

まあ、帰ったらそこで映画は終了、なんですけどね。

単なる家族同士の対立から、だから男って、だから女って、そして電話ばかりする夫の携帯を浸水させて、大笑いすると、「よくやった!」と女同士の協定が出来たと思えば、最後はヒステリックになって、フォスターがケイトのバッグを投げてぶちまける。

そもそも「けんか」とタイトルに入っていますから、看板に偽りなし、なんですけど、なんか面白くはなかったです。

こういうのを面白いと思える人って、よほど生活に余裕があったり、日常に満たされているような人じゃないのかなー。

まさに、空の上から見下ろす神の視点のような、下々の者がなんかしてるわ、って感じの。


一応せっかく見たので、ちょっと深く考えてみると、一見裕福な生活をしていて、余裕のある暮らしをしているようでも、人としての幸せはイコールではない、というような、超ありがちなテーマは感じとれますけど。

別にそういうものでもなくて、ただなんかたまたまストレス発散の相手が来た!

みたいな、むしろやっぱり富裕層なりのひまつぶしだったり?



冒頭と最後だけ、マンションの外のシーンがあるのですが、それはどちらも子供のやりとりになっています。

最初はケンカしてた子供たちが、両親たちが延々不毛なやりとりをしているうちに、すっかり何事もなかったように一緒に遊んでいる。

そして、死んだと思っていたハムスターも生きていた。
(これもケンカの原因。ハムスターがうるさいからと、フォスター旦那が捨ててしまったのを、女性陣が非難)

ま、何をしてても時間は過ぎるし、過去にとらわれるより前を見たほうが有益・・・って事は感じました。



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