2016年3月26日土曜日

花様年華


花様年華【2枚組】/トニー・レオン[DVD]

2000年作品
監督ウォン・カーウァイ
トニー・レオン、マギー・チャン

あらすじ:あるアパートに同じ日に引っ越してきた二組の夫婦。
出張が多く家にいない夫を持つ妻と、夜勤が多くやはり顔を合わせる事が少ない妻を持った夫。
いつしか、残された者同士惹かれあうようになり・・・。




有名な作品、ですよね?

私がよく目にするのは、ファッション誌で映画の特集があると、誰かしらかがお勧めしている。
監督は一時期よく話題になっていたと思いますが、ほとんど見たことありません。

本作は、TVでやっていたので、だったら見てみようかな・・・と。

【おはなし】

いわゆる不倫のお話し。

ただ、時代は60年代の香港という事で、現代物とは少し違う、情緒溢れる感じです。
全体にのんびりしているし、雰囲気を味わうっていう感じ。
なので、明確な状況把握が出来るかどうかという点では、見る人の感覚にゆだねる部分もあって、そういう意味では、好き嫌いは分かれそう。

アパートとはいえ、かなり隣近所が密接した長屋のような感じ?
「最近夜遅いね」とか「ごはん食べたの?」と監視に近い状態が当たり前な感じで、しかも知りたくないのに薄い壁のせいで隣に誰か来てるとか、分かってしまう。

そんな環境でよく不倫をしようと思うな、と感心してしまいますが、当然、自然と気づいてしまいます。

日本への出張が多い夫は、帰国しても隣の部屋の奥さんに会っている。

普段夜勤が多いと聞いていた隣の家に人の気配がするから、心配する振りをして様子をうかがうと、「具合が悪いから仕事を早退してきた」という奥さんが出るが、その奥には自分の夫がいるのがわかってしまった。

そして部屋に戻り、号泣するのですが、その号泣は聞こえていると思うんですよね・・・。隣近所に。

でも、雰囲気ドラマですからそこはスルー。

これだけ監視が厳重なアパートでも、この不倫は気づかれません。
唯一、気づいたのは、各パートナーだけ。

そして、ある時不倫されている側の二人がサシで会うのですが、最初はお互い核心をつけづにいるのですが、女性の方がしびれをきらし、結局「お互いのパートナー同士で浮気してるよね」という事を共通認識とするのです。

そこからは、どう同情が愛情に変わったのか、実はよくわかりませんでしたが、どうせ帰っても、パートナーとはうまくいかないし、みたいな事から二人で過ごす時間が長くなっていきます。

そして、誰もいないと思って、男の部屋で二人きりで過ごしていると、近所の人が酔っぱらって帰ってきて、麻雀大会になります。
男の部屋から出ていくところを見られたら、不倫してようがしてまいが、誤解されるという事で、部屋から出るに出られなくなります。
しかも、隣でしたから、靴ではなく室内履き(スリッパ)だったので、隙を見てその男の妻の靴を借りて、あたかも外から帰ってきたように演技します。

が、ご近所監視は厳しいですからすかさず、「足むくんでない?」と履きなれない靴の指摘までされて、超怖いです。

そんな感じで、少し「調子のっちゃだめだね」と反省しますが、やっぱりどこかバレていくものです。

そして、男はシンガポールへ行くことにしますが、一緒に行こうといっても最初は断られ、そして後から「やっぱり行けるなら行きたい」と言われても、すれ違ってそこでお別れに。

結局、常に擦れ違いで、最終的に一緒になる事はありませんでした。

女性は、いつしか子持ちになっており、その父親が誰かという事ははっきりわかりません。
年齢からいって、不倫の際に出来た子、といってもおかしくはないかもしれません。

男は、何故かアンコールワットで過去を清算します。

冒頭に、ポエム? が出るのですが、「男が踏み出せないから女は去った」みたいな内容でした。

まさに、それがこの映画を端的に表していると思いました。

【雰囲気】

ともかく、雰囲気、ですね。

こういうのが好きな人はたまらないでしょうけど、そうじゃないと結構きついですね。
私は、まあ「こういうの好きな人いるんだろうなー」という事は理解できますが、やっぱりもっと俗っぽいものが好きですね。

そんな私が、あーだこーだ言っても意味がないと思います。

ただ、あえて好きじゃない人から見て思うのは、主人公の二人が美男美女なんですよ。

それが、ないがしろにされる、ある意味余りもの同士というのが、最初から無理があるんです。

でも、こういう雰囲気を味わうには、気にならないでしょうね。
むしろ美男美女で悲しい感じだから、萌えるんでしょうね。

あとやっぱり、繰り返しちゃいますけど、同じ条件で不倫している二組のカップルがいるのに、片方はバレないのか?
あの監視下で、しかも同じ屋根の下で不倫するって相当な度胸ですよ。
むしろ、バレたいんじゃないのか、と。
そこはある意味コメディでした。

上品な昼ドラって感じですかね。

【まとめ】

ファッション誌で、お勧めされる理由はなんとなくわかりました。

ちょっと、いい雰囲気で、おしゃれ感がなくはないですね。

俗っぽさが薄いのも、「お勧め」としてふさわしいとも言えます。

確かに私は「これ好きなんだ」と人に言いにくいなーと思う経験しか思い浮かばないので、生き方の違いを感じました。

見る機会が持ててよかったです。


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